大新選組祭『テレビドラマレジェンド』新選組題材の定着の名脚本家
チワワドラのテレビドラマ愛好世界 変幻対応力 「新選組ドラマ」の好演につなげた二つのお家芸の演技を公開しました。
今回は大新選組祭『テレビドラマレジェンド』新新選組題材の定着の名脚本家と題して進めて参ります。
現在も展開中の新撰組のデフォルメが多数登場することでも知られる『銀魂』という漫画やテレビアニメ、アニメ映画、実写映画化されている作品にもつながっています。日本の10代や20代、さらに漫画やテレビアニメを見ている多くの外国人たちは『銀魂』で新撰組の存在を知る人々が多くいます。
佐伯清と鶴田浩二の縁はテレビドラマでも続いていました。その理由は佐伯清のテレビドラマ参加17作中、最多の3作の主演が鶴田浩二だからです。
映画時代は7作のコンビで特に代表作はありませんでしたが、テレビでは縁がありました。『新選組(1973)』は当時も評判がよく今観ても面白いテレビ時代劇に仕上がっています。さらに『新選組(1973)』についてさらにつっこんで迫ります。
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大貢献 新撰組題材をテレビドラマに定着させた名脚本家
『新選組(1973)』は時代劇映画の脚本を154作を手掛け、テレビドラマ時代劇でも多くの代表作を残した名脚本家の結束信二(けっそくしんじ)が全話担当しました。
全話脚本を手掛けたテレビドラマの代表作は『新撰組血風録(1965)』や1967『俺は用心棒』から4作続いた名作「用心棒シリーズ」、『天を斬る』、『燃えよ剣(1970)』、脚本参加の大きな代表作は「素浪人月影兵庫」や「暴れん坊将軍シリーズ」です。
テレビドラマに活動の場を移す前の結束信二は、戦後の世界上位の154作の長編映画の脚本を手掛け、そのほとんどが時代劇映画でした。時代劇映画の東映だから可能だった数字ですが、時代劇映画は143作、現代劇映画は11作です。
結束信二の簡単な映画時代の代表的作品群
現在はテレビドラマの脚本でおなじみの結束信二だからこそ、映画時代の部分にも触れたいと思います。
結束信二は東映を形成した御大俳優の片岡千恵蔵の主演の時代劇映画の1953『青空大名』で脚本デビューしました。当時、片岡千恵蔵が彼の才能を気にいって自身の主演映画の脚本に抜擢したのかもしれません。
映画脚本の代表的作品群は、市川右太衛門の当たり役の1960~1963「旗本退屈男シリーズ」の5作の参加、片岡千恵蔵の当たり役の一つの国定忠治の『国定忠治(1958)』と『勢揃い関八州』、片岡千恵蔵の代表題材の一つの新撰組1954『新選組鬼隊長』(千恵蔵の近藤勇)と1961『維新の篝火』(千恵蔵の土方歳三)、
結束信二が脚本デビューを飾った映画の超大物俳優の大記録
ちなみに結束信二が脚本デビューを飾った1953『青空大名』の主演の片岡千恵蔵は国定忠治を”2代目国定忠治”を含めると戦前の1933年から1963年まで11作(現存版含む)の31年において演じています。
結束信二も『国定忠治(1958)』と『勢揃い関八州』の2作(両方ともオールスター映画にも該当)の脚本を書いています。
国定忠治は日本を代表する庶民や大衆のヒーローとして、日本の時代劇の中で上位に入る有名代題材の一つです。忠臣蔵、水戸黄門、清水の次郎長、国定忠治は100作以上の映画が存在しており、時代劇の歴代ベスト4の題材、日本映画のベスト4の題材という考え方も存在しています。
片岡千恵蔵は歴代俳優の中で唯一、この忠臣蔵(主演と助演)、水戸黄門(主演と助演)、清水の次郎長(主演と助演)、国定忠治(主演と助演)の4つの全てで主演と助演で貢献し、大きな活躍を残しました。
*水戸黄門の主演はオリジナルのみでは
・1937『水戸黄門廻国記』 日活京都 日活のオールスター映画 原作は直木三十五、監督は池田富保
・1938『続水戸黄門廻国記』 日活京都 日活のオールスター映画 原作は直木三十五、監督はは池田富保
*片岡千恵蔵は水戸黄門の主演をしていますが水戸光圀は1度も演じていません、ですが渥美格之進(格さん)で2度主要、事実上のトリプル主演(水戸光圀=山本嘉一、佐々木助三郎(助さん)=阪東妻三郎と主演)を演じています。これも直木賞の直木三十五の原作でヒットしました。
片岡千恵蔵の新撰組は東映で7作が存在、彼は新撰組題材の映画からテレビドラマにつながる流れやそのきっかけを作った功績もあります。
『新選組(1958)』の拡大と縮小
上記のように写真を小さくするとなんとなく分かると思いますが、1958『新選組(1958)』です。
上記の1958『新選組(1958)』は拡大するとわかりにくく、上記のようにぼやけている部分は申し訳ない限りです。『新選組(1958)』の脚本は映画で活躍した名脚本家の高岩肇です。高岩肇の脚本数は結束信二よりも少なめですが、東映と大映の時代劇映画を中心に多くの代表作を残しています。
上記の写真は下の片岡千恵蔵の新選組映画の主演作を見ると何処に位置するか分かります。
~製作は全て東映京都 年数1952~1961の10年 映画本数は7作 演じた役柄=秋葉守之助、近藤勇、土方歳三の3役~
1952『新選組 京洛風雲の巻』秋葉守之助 近藤勇は月形龍之介 ・オールスター映画
1952『新選組 池田屋騒動』秋葉守之助 近藤勇は月形龍之介 ・オールスター
1952『新選組 魔剣乱舞』秋葉守之助 近藤勇は月形龍之介 ・オールスター
1954『新選組鬼隊長』 近藤勇 ・オールスター ☆結束信二が脚本
1958『新選組(1958)』 近藤勇 ・オールスター
1960『壮烈新選組 幕末の動乱』 近藤勇 ・オールスター
1961『維新の篝火』 土方歳三 近藤勇は月形龍之介 豪華キャストレベル ☆結束信二が脚本
* 上記3作以外は個人的にブルーレイディスクに全て録画済
*上記の秋葉守之助は新撰組の隊士として登場する主人公ですが、居たかも知れない要素を持つ架空の人物です。『維新の篝火』も捉え方次第ではオールスターですが、主演やヒロイン俳優が10名に届かないため、外しています。
*当時は200万人、300万人を越す映画のヒット作が年間に膨大にあり、かなり多くの観客を動員したと考えられるわけですが、上記の7作や7作の中でももっともヒットしたと考えられる1958『新選組(1958)』、1960『壮烈新選組 幕末の動乱』の2作も年間観客動員ベスト10に1作も入っていません。1950年代中盤からの7,8年は映画黄金期の時代は観客動員400万人や500万人でもベスト10に入らないこともあり、7作で最低でも軽く1000万人以上の観客を動員していたものと考えられます。
結束信二が脚本の1954『新選組鬼隊長』です。刀を持つ素晴らしい表情と風格を放つ